最近、ネット上で見かけた記事で衝撃的だったのはスパムメールに類似したスパムブログの横行である。これは、どういうものかというと、内容の無い多数のブログを開設して、そこにアフィリエイトを貼り付ける行為である。内容がまともであればいいのだが、そうではなくて、たった1ページの自作記事や他人の著作物や出会い系のリンク集だけを無断でコピペして転載する手口である。そして、ブログ記事作成一斉送信ソフトなる自動化も図って、ごく短時間のうちに100個ぐらい投稿するのである。そして、1日1クリックで1件1円の報酬とすれば、1ヶ月で最低でも100円×30日で3000円は収入があるわけである。さらに、もっとあこぎな悪例では、1日1件以上クリックさせるために人気のアイドル歌手の番組の動画を片っ端から無断でブログに貼り付けたり、高ランキングのブログにトラックバックを貼り付けたり、サテライトサイトを形成して1つの中心になるブログに多数のブログを集中的にリンクさせて検索エンジンのアクセス度を高める手口を駆使したりなど、あの手この手で荒稼ぎをしていた会社員が警察に摘発された・・・という新聞記事があったことを覚えています。
このような例は特殊なのかと思っていましたが、数年前のニフティ研究所の調査結果ですが、2007年10月~2008年2月の各月ごとにそれぞれ約10万記事を分析した結果、約40%のブログ記事が上記の例のようなスパムブログの記事だったということです。
実は、以前からそういったことは、私は個人的には感じていました。というのは、自分は、ある日本の有名な無料サーバーにwordpressをインストールして投稿しているのですが、アクセスランキングの上位に来るブログやホームページが、殆ど記事の無いアフィリエイトだけとかリンク集だけというのが結構多い実態があるのです。このサーバーを運営する会社は、これをずっと1年ぐらい放置したままで削除していない例が多々あります。
だから、こういったスパムブログやスパムホームページ等が蔓延する原因は、ユーザー自身の自覚の問題があるのですが、ブログ運営会社やアフィリエイト会社の姿勢の問題もありそうです。最近では、FC2,アメーバ・シーサー・ライブドアなどのブログ運営各社がスパムブログ対策に乗り出しているようですので、徐々に減ってくるでしょうが、なかなか減りそうにない状況です。
というのは、日本のブログ運営会社は、その質はどうあれ単純に登録者数を増やせば広告収益が増えるシステムになっているので、それを悪用したユーザーが跡を絶たないのです。それで、アフィリエイトだけが目的の登録者も許容し、掲載記事の内容については、内容の如何をほとんど問わないことになってしまっていますから、海外の無料サーバーでごく普通に見られるような対応、すなわち「掲載内容が規約に違反すれ即刻アカウント削除」という厳しい姿勢ではないようです。
また、一応サポートはあるのですが、整備されていなかったり不十分であったりします。内容や質の面で、アメリカのwordpress社に見られるような、丁寧で非常に詳しいトラブルシューティングのユーザーフォーラムづくりなどに手間隙をかけるだけの余裕が殆どありません。wordpress社などは、自社の無料ブログに一切宣伝を掲載せず、またユーザーにアフィリエイトも禁止しているので、無料ブログに対する考え方が全く違います。つまり、私が感じるのは、無料で無宣伝でサーバーを貸し出しているという社会奉仕的な面を強調してwordpressの普及と知名度をアップしているので、そういった意味での宣伝効果を狙っているようです。