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順一郎の異色ブログ作法

生活改善のアイデアについて

2013/07/19

国民栄誉賞と巨人大鵬卵焼き

標記のことわざは、昭和40年代に流行した言葉です。巨人大鵬は強いものや安定して見ていられるものにあこがれるこの時代の国民の意識の象徴とされています。そういう意味で、現政府が昨今、このお二人に相次いで国民栄誉賞を与えたのですが、今となっては、受賞があまりにも遅すぎたのではないかと思います。もう、時代がどんどん先へ進んでいるので、高齢者が共感することはあっても、若い世代や中年の人には、既にあまり縁が無い存在になってしまっています。

 卵焼きは、いつの時代でも物価が安定していて栄養価の高い食品のチャンピオンだから、そういうことわざに組み入れられたそうですので、これは今の時代にも大いに当てはまると言葉だと思います。しかしながら、大鵬自身は、野球などのチームプレーはあまり好きではなかったようで、強く優秀な選手をスカウトが集めて編成して、勝って当たり前の巨人と比較対照されたのでは適わないというようなことを言っておられたそうです。また、相撲は個人プレーであり、自分は人一倍努力して連勝の栄冠を得たのであって、タイプとしては、巨人の代表選手であった長島茂雄巨人名誉監督のような天才肌ではなくて、むしろ野村克也楽天元名誉監督のようなたたき上げの苦労人タイプの人間だと理解してほしいとも言っておられたそうです。

 なにはともあれ、大鵬自身の意見ですから、「巨人大鵬卵焼き」というのがそぐわないという意見には私も大賛成です。実際そのとおりで嘘ではないと思います。似て非なるものを一緒くたにして、とにかく国民的人気の高い人物という共通項に乱暴に組み入れてしまうような語呂合わせには、非常に無理があるような「巨人大鵬卵焼き」ということわざだと理解しました。このことわざを、当時は何の疑問も無く私も使っていましたが、今となっては、もう歴史的な事項になっていますから、時代考証してそろそろ今の時代には合わないということで見直さないといけない時期に来ているのではないかと思いました。

 裏返して言えば、この21世紀初頭の大多数の日本人にとって、先行き不透明な不安な世の中において、いまさら「巨人大鵬卵焼き」的な高度経済成長期の右肩上がりの世の中の「西洋列強に追いつけ追い越せ」的な、一国一城の国民的人気や雰囲気に乗った日本株式会社的な思考パターンを継承することは、価値観の多様化やグローバル化の進む国際状況の中では、必ずしも一般性・普遍性を持っているとは言えないように感じるということです。

 具体に言えば、日本国内だけでの活躍もさることながら、たとえば、野球選手のイチローやダルビッシュ、黒田、藤川など、国際的に人気のある記録達成面でも実績のある天才たちが大リーグに出張して活躍の場を広げている昨今の状況があります。
 また、西岡のように、逆に大リーグにいてあまり成績が振るわなかった選手が、阪神タイガースに戻ってきて天才ならぬ千両役者としてチームを大いに盛り上げて活躍する場合もあります。
 相撲界に目を移せば、相撲は本来、日本の国技であるにも関わらず、両横綱である白鵬、日馬富士をはじめ外国人力士の目覚しい台頭と活躍には目を見張るものがあります。

 また、産業界に目を移せば、ドコモが従来の日本株式会社方式を捨てて、2トップ戦略で韓国サムソンとソニーの機種を優遇して販売していますが、そこで苦戦を強いられているパナソニック、シャープ、NECは生き残りをかけて外国でのスマホの販売に独自の活路を見出そうと奮闘しているのです。

 以上のように、昭和時代の日本国内だけの規模で「巨人大鵬卵焼き」といっていた時代は、もう歴史になってしまった感じがしてならないのです。

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